松嶋桃『京大卒雀士「戦わない」受験勉強法』を読む

日本プロ麻雀協会のチャンピオンロードに出たついでに、同卓した松嶋桃プロから『京大卒雀士「戦わない」受験勉強法』を直接購入しました。
で、さっそく読んでみました。受験勉強法の本ですが、考え方は資格試験全般に応用できますね。ある資格試験を受けようかどうか考えているところなので、受けると決めたらこの考え方をアレンジして使ってみようと思います。
特に、第1章「「戦わない」受験勉強法とは何か」がいいですね。受験勉強法と言いつつ、これは松嶋流の楽しく生きる方法でもあります。ここに書いてある5原則は、何となく毎日楽しくないと感じている人に目を通してほしいです。日常を見直すヒントが得られると思います。個人的には1番目に挙げられている「ゴールを見失わない」が難しいなと日々感じています。あとの4つはある程度実践できている、かな。その結果、まあまあ楽しく生きています。
第2章「やりたいことがない人こそ一流大学を目指しましょう」は、受験に何となく不安を感じている人に対するいい励ましが詰まっています。後半に書かれている、授業から取り残された時のリカバリー方法は小生も似たようなことをやったので結構オススメできます。松嶋さんと多少お話ししたことがある方なら、松嶋さんのあの穏やかな雰囲気がどのように培われたのか分かってなお楽しい章です。
第3章、第4章のセンター試験と二次試験対策は、かなり具体的にやり方が書いてあります。この数学の学習法は受験生の時に試してみたかった! 英語は長文を読む前に問題を見るのがいいってのはいくら分かっていてもできませんでした。人にはどうにもならない癖があるので、無理に合わせようとしないことも大切かも。受験勉強法と呼ばれる本であれば似たようなことは書かれていますが、ここまで読んできて面白いと感じた人が、このやり方を信じて勉強を続ければ合格に近づくでしょう。
第5章は麻雀好きに対するオマケみたいな章です。麻雀好きなら楽しんで読めるでしょうが、そうでない受験生には謎の章かも。合格してから麻雀覚えて読んでみるのが吉かな。

小生も今を遡ること二十年以上前、京都大学(文学部)を受験したのです。もちろん不合格でしたが、直前の成績は倍満ツモ条件くらいまでは行っていました。そこそこ真剣に受験勉強には取り組んだので、読んでいるうちにその時のことを思い出してきました。当時すでに麻雀のルールはある程度分かっていたので、この本を見せたら喜んで読んでもう少し効率よく学習し、満貫ツモ条件くらいで入試に臨めたかもしれません。
松嶋さんは割とまーちゃお下北沢に来てくれるので、何度か打ったり話したりしたことがあります。帯にも「京大卒美人プロ雀士」と書いてあるとおり確かに見た目も年齢不詳の(というよりいつまでたっても高校生っぽい)美しさがありますが、松嶋さんの真の魅力は柔らかい雰囲気と機転にあります。柔らかい雰囲気はひとと争うのが苦手で、できるだけ穏やかにものごとに向かい合う姿勢から生まれるのでしょう。いるだけで場が和む座敷わらしみたいなところがあります。そこに賢さが加わることで、機転が生まれます。様々な麻雀番組の司会をこなせるのも、この力があってこそです。

勝手な推測ですが、松嶋さんは決して苦労なしに生きてきた方ではないと思うのです。この本の最後にも書いてありますが、間違ってロースクール行っちゃった時には結構しんどい思いをされたのではないでしょうか。小生もムダに大学院に行き、学費その他で高級外車を買えるくらいの借金をこさえてしまった苦い思い出があるので、そう思うのかもしれません。そのような苦労を経て、でもひねくれず、朗らかな松嶋さんでいる。この本の「おわりに」にはそんな松嶋さんだから書ける温かさがあります。
世に結構いるはずの麻雀好きの高校生に、この本が広く読まれるといいな。

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